法人口座が作れない。視聴13回の画面で、17日目に通った話
2026年9月30日 公開
前回の記事で、マイクロ法人の設立登記を自分で申請した話を書きました。最後に「法人口座が、いちばん手こずった」とだけ書いて終わっています。
その続きです。
この記事でわかること
- 登記は6時間、法人口座は17日かかった
- 事業計画書を出しても「不備」と返ってきた理由
- 結局、何を出したら通ったのか
個人のネット銀行と同じだと思っていた
申し込んだのは、GMOあおぞらネット銀行です。会計ソフトと自動でつながる法人口座が、ここを含めて数えるほどしかなかったからです。
今まで何度もネット銀行の口座開設はしてきた(個人利用)ので、今回(法人利用)も同じ感覚でいました。
事業計画書まで出すのだから、問題無いだろうと思っていました。
——甘かったです。
口座申込から17日。登記は6時間だった
先に、全体の流れを出しておきます。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 9月7日 | 登記を申請 → 同じ日の夕方に完了 |
| 9月8日 | 法人口座を申込。書類4点を提出 |
| 9月9日 | ⚠️「追加のお手続き」=書類の不備 |
| 9月12日 | ブログを公開 |
| 9月18日 | 銀行へ電話 → 言われたものを追加提出 |
| 9月25日 | ✅口座開設の完了メール |
申込から開設まで、17日。登記は、申請した日のうちに終わっていました。
役所は遅い、と思い込んでいました。でも登記は、その日のうちに終わっています。
念のため書いておくと、銀行が遅かったわけではありません。17日かかったのは、私の出した書類が足りなかったからです。追加の書類を出してからは、7日で開設されました。
出した書類4点と、返ってきた「不備」
申込のとき、事業の内容を確かめる書類を4点出しました。
- YouTubeチャンネルのURL
- 音楽生成ツールの領収書
- 事業計画書(自分で作った、A4で2枚)
- ブログの準備状況(記事一覧のページ)
翌日、返ってきたのがこれです。
⚠️ 銀行からの連絡
直近の事業活動状況が確認できませんでした。過去半年以内に作成・更新されている追加書類のご提出をお願いします。
「不備」の連絡が来た時は、少し驚きました。個人口座と違って、法人口座は厳しいのかなと思いました。
さらに、まだ事業の実態が少ないことで「口座開設出来ないのかな」と不安になりました。
事業計画書では足りなかった
あとから分かったことですが、理由ははっきりしています。
事業計画書は「これからやること」です。銀行が見たかったのは「いま動いていること」でした。
銀行が例として挙げてきた書類を並べると、そこがよく見えます。
- 広告を載せているサイトやSNSのURL、収益や広告配信の状況が分かる管理画面のキャプチャ
- 広告主・ASP・代理店との契約書、自社が出した請求書と入金の記録
- 取引先とのやり取りが分かるメール(挨拶や日程だけでなく、案件の中身が書かれたもの)
どれも第三者が関わっている証拠です。自分で書いた計画書は、ここに入りません。
💡 ここを間違えると詰みます
「会社の中身を説明する書類」と「いま動いている証拠」は別物です。事業計画書が無駄なのではなく、役割が違ったという話です。
何度も出さず、電話した
不備の連絡が来てから、AI秘書にも相談していました。
そこで気になったのが、銀行の案内にあった一文です。
⚠️ 銀行の注意書き
複数回にわたり追加提出を求められると、口座開設に至らないことがあります。
とりあえず何でも出すより、電話で相談した方が不備の内容が分かると思って電話しました。
これが正解でした。聞いたのは2つです。
- 追加で何を出せば良いのか → ブログを開設したのであれば、そのURLを送ってください。ブログやYouTubeの管理画面(アクセス数などが分かるもの)のスクリーンショットを送ってください
- 第三者との取引が分かるもの → まだ始めたばかりで無いと、正直に伝えました
何度も申請して落とされるくらいなら、先に聞いたほうが早い。電話をして、不備の中身がやっと分かりました。
視聴13回の画面が、通した
言われたとおりに出したのは、2つだけです。
- 公開したばかりのブログのURL
- YouTubeの管理画面のスクリーンショット(過去28日の数字)
そこに出ていた数字は、視聴13回・総再生1.3時間でした。
正直、これで足りるとは思っていませんでした。でも——通りました。
ちなみに、ブログのアクセス解析のほうはすべて0だったので、出していません。銀行は「アクセスがあるなら、その画面も」と言っていたので、0の画面はかえって逆効果だと判断しました。
堂々巡りだった——銀行とASP
電話で、こうも伝えました。
これは本当に行き止まりでした。順番に書きます。
| 登録するのに | |
|---|---|
| A8.net | 口座が要る。しかも会員本人名義のみ・名義は後から変えられない。法人は登記した商号で登録 |
| afb | 口座が要る |
| Amazonアソシエイト | ギフトカード受取なら不要。ただし180日で3件の売上がないと閉鎖 |
| Google AdSense | 不要。収益が支払基準額に達したときに登録する |
つまり銀行は「事業の実態」を求め、ASPは「法人名義の口座」を求める。どちらも先に進めない。
この行き止まりは、銀行が求めるものを出せたことで抜けられました。口座ができてから、ASPの登録に進んでいます。
💡 これから作る人へ
口座を待たずに動かせるのは Google AdSense だけです。先にそちらを進めておくと、時間を無駄にしません。
通った。そして資本金を移した
9月25日の夜、開設完了のメールが届きました。
ほっとしました。すごく安心したのを覚えています。
翌朝、個人の口座に入れていた資本金100万円を、法人の口座へ移しました。
💡 振込人名に一言
私は振込人名を自分の名前だけにしてしまいました。「シホンキン」と付けておくと、帳簿を付けるときに迷いません。付け忘れても、摘要に「資本金の移し替え」と書けば足ります。
私一人なら、一日では終わらなかった
申込の日、事業内容の申告と書類の準備で4時間かかりました。
途中、代表者の略歴を書く欄で手が止まりました。過去の勤務先と在籍期間を書く欄です。記憶があいまいで、正確な年月が出てこない。
結局、「ねんきんネット」の被保険者記録照会回答票をダウンロードして確認しました。勤務先の名前と、資格を取った日・失った日が全部載っています。
そして、いちばん正直なところを書きます。
私一人なら、そこでつまづいて一日では終わらなかったと思います。AI秘書がいるから作られました。私だけなら、作れずにそのまま立ち止まっていたと思います。
これから口座を作る人へ
これから事業を始める方でも、落ち着いて対応すれば大丈夫だと思います。
実績が小さくても、動いていることが見えれば通ります。視聴13回でも通ったのですから。
そして、詰まったら何度も出し直すより、先に電話して聞く。これがいちばん早い道でした。
※この記事は、私自身の体験と執筆時点の情報にもとづくものです。税金・社会保険・制度の取り扱いは人によって違い、年によっても変わります。サービスの料金や機能も変わります。実際に判断されるときは、必ず公式の情報を確認し、税理士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。
あわせて読みたい
マイクロ法人を、実際に作ってみた ——素人がつまずいた5つのこと(設立編)
売上の見通しがないまま、えいやで会社を作りました。住所が1字違うだけで作り直し、資本金はどの口座に入れるのか、入金当日は明細が出ない——素人がつまずいた5つのことと、かかったお金ぜんぶ。
続きを読む →会計ソフト、農家は何を選べばいい? ——弥生を15年使ってきた私の本音
父の代は手書きの帳簿。私はソリマチと迷って「やよいの青色申告」を選び、15年使ってきました。良いところ、イマイチなところ、かかったお金の実額、そして——乗り換えを考えている正直な現在地まで、ぜんぶ書きます。
続きを読む →ホームページって、AIに頼んだら作れちゃうの? ——非エンジニアの実録
「ブログ=WordPress」だと思っていた私が、AI(Claude Code)に日本語で頼んで、いま読んでいるこのブログサイトそのものを作った実録です。WordPressで戸惑った経験、AIへの遠慮ないダメ出し、かかったお金のぜんぶを正直に。
続きを読む →国保を下げるために、マイクロ法人(合同会社)を作りはじめた話(準備編)
高すぎる国保をなんとかしたくて、農業とは別に「合同会社」を作りはじめました。会社の種類えらび、名前の悩み、自分で作るDIY設立、決めた5つのこと——準備のリアルを、つまずきも正直に。
続きを読む →「国保が高すぎる」——個人事業主の私が、マイクロ法人にたどり着くまでの全記録
父の代から「高いなあ」と思っていた国保。初めて自分宛てに届いた通知書を見て、保険料を下げられないかと動き出しました。失敗もふくめた、正直な全記録です。
続きを読む →パソコンは使えても、プログラムは素人。農家の私が、AIで事務をラクにした話
元IT会社員だけど、プログラムは書けない。そんな私が、3名になったパートさんの給与計算をきっかけに、AI(Claude Code)で農園の事務を少しずつラクにしていった実体験です。
続きを読む →バラバラだった売上を、AIで“ひとつ”にまとめた話
売上が“今いくら”か、すぐに言えなかった私。JAの市場・産直店・自宅の直売所からバラバラに届く売上を、AI(Claude Code)で自動集計し、スマホで見える化するまで。過去10年の比較や、PDF読み取りの正直なつまずきも。
続きを読む →